近居の定義は国土交通省によれば「住居は異なるものの、日常的な往来ができる範囲に居住することを指すもの」とされており、徒歩や自転車・自動車・電車などで1時間以内で行き来できる距離に親世帯と子世帯が住んでいる状態を言います。近頃では様々な理由からこういった環境が好まれていますが、どのような点がメリットとしてあげられるのでしょうか。まず同居と違い別々の家に住むことになるため、お互いにプライバシーのある暮らしができるところが魅力です。生活のリズムを崩さなくてよいところも良い点といえるでしょう。
また、子世帯側は子育ての際に共働きの場合などに子供たちを預かってもらったり、急な病気などの時でも代わりに迎えに行ってもらえたりといったサポートが受けられます。一方の親世帯側も介護が必要になった時にはサポートをしてもらったり、見守りをしやすいというところが利点です。近くに暮らすといってもいろいろなパターンがあり、結婚してから親の近くに子が住む「二世帯近居」や、親と孫がいる子が側で暮らす「三世帯近居」があります。その他にも形態はさまざまです。
一軒家の実家近くにマンションを購入するケースや、高齢になった親が戸建てを売却して子供の住居近くのマンションを買う、または世帯同士同じマンションではあるものの別の部屋に居住するようなこともあります。公的な調査や、国土交通省による調査でも同居より近居を望む人が増えている実情があり、これからますます近居が注目されてくると思います。